出版支援事業 社史・記念誌 製作

制作のポイントと完成までの一般的なスケジュール

ラクではない社史・記念誌編纂

  「社史(記念誌)の編纂」——といえばどこか優雅でのんびりした響きがありますが、実態はまったく逆。多くの場合、この作業に携わった瞬間から、制作ご担当者になられた方は生涯忘れられぬ労苦の体験に足を踏み入れることになります。企画立案、資・史料の収集、年表の作成、レイアウト、原稿執筆、装丁の決定にいたるまで、予想外の困難が次々と発生し、一方では「失敗は許されない」という思いが強迫観念化して、ご担当者の耐えなければならない精神的重圧は日を追って増すのが常です。
 社史(記念誌)の作り方の基本的なポイントがつかめない。資・史料の集め方が分からない。なんとか集まってもかたよりがある。原稿の記述内容に誤りがないかの点検が難しい。社内からまちまちの意見が出てまとまらない。本の作り方としておかしいところがないか判断できない。……永久保存の「正史」、また何十年に一度の記念誌制作のご担当者は、責任感と意欲をもって取り組めば取り組むほど、やっかいな問題を次々に抱え込むことになります。最後までへこたれず冷静さを失わない体力と精神力が求められる作業であることを、まず心してください。

どんな資料をそろえるか、集めるか

社史や記念誌の作り方に関係する資料としてはいろいろなものがありますが、ここでは社史づくりの場合の代表的なものを挙げてみましょう。

1.営業報告書、有価証券報告書
 各期の業績や事跡、経営環境などが記録されており、中心的な資料となります。

2.社内報
 その時々の経営の課題や大きな出来事が取り上げられており、時代の空気が分かります。また、職場の状況なども細かに紹介されている場合があり、社史のためには第一級の資料となります。

3.社内通達文書
 社内報を制作していない会社でも、社長の年頭訓辞などを社内文書として配布しているケースは多々あります。また、中長期計画の立案や進捗状況を示す文書、研修・社内教育に関わるもの、福利厚生関連情報など、総務関連文書は社史資料の宝庫ともいえます。

4.創業者などの功績調書
 叙勲など栄典授与にあたっては功績調書が作成されます。個人の業績として、会社の歩みがわかりやすくまとめられていることが多いので原稿作成に役立ちます。

5.PR誌、マスコミ記事など
 PR誌が発行されていれば、発行当時における重点施策や経営方針をうかがい知る貴重な資料となります。また、マスコミに取り上げられた記事とか、業界紙における社長インタビュー記事、新製品紹介記事などは社史に大いに活用できます。

6.業界団体の記念誌、業界史、同業会社の社史など
 業界全体の歴史を知り、また時代時代の産業上の諸課題を把握するための基礎的な資料となります。

7.その他
  その他、経営者や社員の日記、日報、レター類、写真類、会社案内パンフレット、電話番号変更のお知らせハガキ、社屋移転の挨拶状から古い社用封筒にいたるまで、「歴史的価値」をもつ断片的資・史料の収集も、良い社史をつくるための大切な要件となります。

資料が足りない場合はどうするか

1.本当に求める資料がないかよく確かめる
  社史の作り方の基本は「わずらわしさに耐えること」。倉庫の段ボール箱を残らずひっくり返す労力を惜しんではいけません。

2.外部資料を収集する
 社内になくとも外部の協力を仰げるかもしれません。関連会社があるならその方面からの資料収集も試みます。また図書館などで産業史としての角度から資料を渉猟し、作り方の参考にします。

3.取材を行う
 OBや古参社員に往時の状況を取材します。しかし漫然と話を聞いても、結局期待したほどの情報が得られない場合が多々あります。前もって質問書を送っておくなどの工夫が必要です。

社史づくりを成功させる「八原則」


   五分五分というのは現実には困難。優先スタンスを決めたほうが方向性が定めやすくなります。

   編纂委員は多すぎないこと。結束こそ命です。


   着手しやすく方向が見えやすい年表づくりから始めるのが正解です。


   編纂委員全員でなるべく多くの作品に目を通し、企画の参考にすると、完成のイメージが膨らみ
    やすくなります。


   同一条件で複数業者から企画書・見積書を取り、疑問点は遠慮なく質問してください。


   すべての段階で分からないことは専門業者にどんどん聞き、注文はどんどんつけてください。


   最後の段階ではチェックの上にもチェックを重ねてください。


   社史・記念誌づくりは長期戦。十分な栄養と睡眠、気分転換が「良い仕事」を生みます。

完成までの一般的なスケジュール

    社史・記念誌の完成までに要する時日は、資・史料の多寡、求めるレベルの高さなどによって決まりますが、大型社史(数百ページ)で5年、標準的な社史(100〜200ページ)で最低1年半、歴史の部分は略史とするタイプの記念誌でも1年程度はみておきたいものです(※)。
    その間に進められる作業は以下のようなものになります。


    (※種々のご事情から時間的余裕がなく特にお急ぎの場合には、当社は独自の特別体制で対応させていただいております。)