印刷で使用される用語を五十音順で一覧にしました。

五十音用語意味
藍版青版、C版、シアンとも言う。印刷インキの基本色(プロセスインキ)のひとつで藍色の版のこと。
青焼き一般にオフセット印刷の場合校正刷りが出来ないため、製版フィルムを「青写真感光紙」に焼き付けて校正刷りの代用とする。文字校正のためや1、2色の物などで使う。青焼校正とも言う。
赤版(あかはん)プロセスインキの紅(あか)を印刷するための版。M版。Magenta。
頭合わせ(天合わせ)多面付けで、頁の「天側」と「天側」を付け合わせて組み付ける面付け方法。天合わせとも言う。通常横組左開きの本に用いられる。反対に「罫下合わせ」「地合わせ」がある。
あたりレイアウト指定や版下などで、本文・見出し・図版・キャプション・平網などが入る位置を指定した細い輪郭線を言う。作図機などで台紙起こしをした場合、写植貼り込みの位置を示すためなどに青の線で引かれ、写真・平網などの位置を示すときは細い黒の線で引かれるガイドライン。仕上がった印刷物には不要な線であることから、「ケイアタリ・ケイシニ」などとも指示する。罫を生かして印刷する場合は「ケイイキ」と指示して区別している。あたり罫、あたり線とも言う。
網点凸版やオフセット印刷で写真(モノクロ・カラー)などの階調を再現する場合、点の大きさと印刷する紙の白地部分との比率で濃淡を表現するが、この点を網点と言う。網点には、1インチ幅にいくつ網点があるかと言う「線数」と、モアレを発生させないために設定する「角度」、濃淡を変化させるための「濃度」の3つの要素があるが、これらは各々独立した物である。目的に応じて形状にも様々な種類がある。
網点角度(スクリーン角度)多色印刷の際、各版の重なりあいによって生じるモアレ(干渉縞)を防ぐため、各版の網点の配列に一定の角度差をつけたもの。一般に45°の角度が一番目につきにくく、そこから30°ずつ離して複数の網の並びを配置していく方法が都合がよいとされている。C・M・Y・Kのプロセスカラーの場合、90°の範囲の中で30°違いに4つの角度を設定するのは不可能なので、インクの発色の特性上、一番目立つK(墨)版(写真分解の場合はM版)を45°に設定し、目立たないY版を他の版と15°違い(0°ないし90°)に設定することが多い。
網点製版印刷物のインキの膜厚は均一で、インキの付着密度を変化させることで濃淡を表現する方法。写真原稿の濃淡(連続階調)を、網点の大小に変換し、網点の大小、粗密によって表現する。写真だけではなく、特定の部分に均一な濃度をつけたい時にも同様。濃度は100%を最高に、単位面積当たりの網点が占める面積比を主に10%きざみの百分率で表す。平版(オフセット)や凸版方式で主に使われる。
網点線数スクリーン線数と同じ。網点の細かさを表す単位で、1インチ(2.54mm)を基準単位としてその中に1列状(線状)に並んだ網点が何本あるかを言う。同じ濃度で比べた時、線数が多い程網点ひとつの大きさは小さくなり単位面積あたりの個数は増える。線数が多い程画像のディティールは鮮明になり元となった原稿の階調に近づくが、半面、印刷条件によってはドットゲイン(網点のつぶれ)が起きやすくなる。このため線数は印刷の方式、用紙、機械の精度、印刷物の用途や目的によって選択される。新聞(更紙)は65~100線、雑誌(上質・コート・アート紙)は133~175線、高級印刷物(特アート紙など)は200線以上がよく使われる。
あじろ綴折の段階で折丁の背の部分に折ミシン(アジロという)を入れ、その穴の部分に接着剤(ホットメルト)を注入してページを接着すると同時に、凸部に残った接着剤で折丁同士を接着させて綴じる方法。
網代折り(あじろおり)無線とじのひとつである網代とじを行うために、紙折りの最後に背の部分にわずかに切れ目を入れ、接着剤の浸透を助ける折り方。
網代とじ無線とじの製本様式の一つ。網代折りの折り本を丁合後、糊で接着する。背が全部切り離されていないので、無線とじよりも紙面を広く使えると言う特徴がある。本製本も可能で、背を丸くする加工もできる。
アート紙ベースとなる紙に上質紙を使用し、コート剤の塗工量が20g/m2前後の厚みを持つ加工紙で、印刷仕上がりの良さを求められる美術全集やカタログ、ポスター、写真集等の高級カラー印刷に用いられる。光沢度を最小限におさえた「つや消しアート」もある。
アートポスト(Art Post)アート紙の一種で,通常四六判160kg以上の厚さのものを言う。(一般アート紙は四六判135kgまで)この名称は,主に絵はがきに用いられていたことからきている。
Eプリントオンデマンド印刷機の代表的な装置。従来の印刷工程に必要であった版下・製版・刷版などが不要である。DTPなどで作った製版データを直接、印刷内の胴に焼き付け四色の液体インキで印刷する。版から移された液体インキが加熱されているブランケット上でペースト状になり、紙に転移する。必要な時に必要な部数を、と言う設計思想があり、極端にいえば一枚だけの印刷も可能。
イメージスキャナ(imege scanner)写真・図版などの画像を直接読み取り、コンピュータにデータとして入力する装置。原稿をCCDでスキャンし、画像の濃淡を光の強力に変え、デジタル信号に変換し、メモリにとりこむ。読み取り精度の単位としてdgiが使われる。
イメージセッタ(Image setter)プロの印刷用として使う高解像度の印刷装置。日本語PostScriptに対応していて、通常、1200~3600dpi程度の解像度で印画紙またはフィルムに出力する。
色上質紙染料で着色した上質紙。略して「色上」とも言う。淡クリーム書籍用紙は含まない。
印刷用紙雑誌・書籍などの印刷用に抄造された紙。新聞巻取紙・非塗工紙(上級印刷紙・中級印刷紙・下級印刷紙・薄葉印刷用紙)微塗工印刷用紙・塗工印刷用紙(アート紙・コート紙・軽量コート紙)特殊印刷用紙などがあり、さらに、印刷用紙A:上質紙。印刷用紙B:中質紙。印刷用紙C:上更紙(じょうざらがみ)。印刷用紙D:更紙(ざらがみ)などの呼び方がある。
裏面ページ物を面付けした場合、裏側で印刷されるページ。トップページ(仮の1ページ)のある側を表(おもて)面になるので、例えば1折16ページの場合、仮の1、4、5、8、9、12、13、16が表(おもて)面、2、3、6、7、10、11、14、15が裏面になる。
M版紅・あか版、マゼンタ版。プロセスインキのマゼンタ(magenta)で刷るための版。
エンボス(Embossing)凸凹模様を彫刻したプレートやロールなどの間に、紙・印刷物などを挟んで圧力をかけ型押しをすること。
凹版印刷版画の凹んだ部分にインキを満たして印刷する印刷方式。写真技術を利用した凹版印刷を グラビア印刷といい、出版物・書籍・包装材料・建材などに広く用いられている。彫刻凹版は紙幣、商品券などに使われる。凸版印刷
黄金率ある直線を二分割するとき、小部分の大部分に対する比率が大部分の全部に対する比と等しくなるように分割してできた比率。黄金比、黄金分割とも言う。公式は次の通り。短辺:長辺=長辺:全長(短辺+長辺)1:1.618=1.618:2.618
オフセットインキオフセット印刷に使用されるインキのこと。油性で粘度が高く親油性で、プロセスインキとそれ以外の特徴インキに分けられる。プロセスインキはシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック(CMYK)の基準4色からできていて、半透明性。この4色を掛け合わせることによってほとんどの色を再現できる。特色インキは基準色(インキを直接混ぜ合わせて色を作る)で、プロセスインキで再現できない微妙な色を再現する時に用いる。
オフセット印刷平板印刷を代表する印刷方式。版面から一度ゴム胴(ブランケット)に画線部を転写(オフ)し、その画像を紙に印刷(セット)する方法。
オペーク、オペークペン(Opaque)ネガ台紙上に発生するピンホール(小さな穴)などを塗るつぶすのに使われる遮光性の赤い液体。水性と油性があり用途によって使い分ける。
オンデマンド(On demand)必要な時に必要な部数を印刷すると言うシステム。従来の印刷はあらかじめ予想される必要部数を大量に印刷すると言うものだったが、産業思想の変遷にともなって(省資源など)、必要な時に必要な部数を印刷すると言う思想に基づいて開発された印刷システム。機械として「Eプリント・クロマプレス」などがある。
オーハープリント(Over print)印刷機を利用して、印刷物の表面にオーバープリント用ニスを印刷すること。ニス刷りとも言う。専用の塗布機(コーター)を用いる場合は「ビニル引き」といい区別している。オーバープリント用ニス(OPニス)はインキから顔料を除いた透明なビヒクルに強膜剤を加えたものである。
書籍の表紙・外箱に巻き付けた紙。帯紙・腰巻とも言う。主にPR用に使い、その書籍の内容紹介・推薦の言葉・特徴などを入れる。
表表紙書籍・雑誌などの表側の表紙。表1。
表見返し前見返しともいい。オモテ表紙の方につく見返し。
表面(おもてめん)ページ物を面付けした場合、表側で印刷されるページ。トップページ(仮の1ページ)のある側が表面になる。例えば1折16ページの場合、仮の1、4、5、8、9、12、13、16が表面になる。そのうち1、8、9、16を貼る方が表Aでトップの台になる。残りは表B。
折り製本の作業工程のひとつ。ページの順が正しくなるように刷り本を折っていく作業。いくつかの方式があり、普通の折りを「回し折り」と言う。直角に二つ折りし、時計回りに回転させながら、また二つ折りにし、これを繰り返す。八ツ折り・16ページ折り・32ページ折りがある。特殊な折り方としては、巻き折り・観音折り・経本折りなどがある。
折り込み書籍・雑誌などで版型より大きいものを折り畳んではさみ込むこと。または、はさみ込む印刷物。
折丁(おりちょう)製本するために1ページ大の大きさに折り畳まれたもの。折丁には三回折(八ツ折)の16ページ、四回折(16折)の32ページ折り、二回折(四ツ折り)の8ページ、一回折(二ツ折)の4ページがある。
大扉本扉とも言う。タイトルページ。書籍の題名、著者・訳者名、出版社名などを明記し、巻頭に載せる標題紙。
カラーパンチ(Color patch)原稿の脇に付けて撮影したり、校正刷りの端に印刷するC・M・Y・Bkなどインキの色を示す色票。
カラー印刷(CMYK)プロセスカラー印刷。C(シアン=青色)M(マゼンタ=赤色)Y(イエロー=黄色)K(クロ)の4色のインキを使用。網点(細かなドット)の混じり方で、カラーを表現する。(目の錯覚)
カラー印刷通常、C(藍)、M(紅)、Y(黄)、Bk(黒)の四色を刷り重ねて、すべての色を表現する印刷方法。
画素(Pixcel)ビットマップイメージを構成する最小単位。ピクセル(pixcel)とも呼ばれる。
ガンマ補正(Gamma correction)画像の階調の応答特性を表すときに「ガンマ(γ)」と言う数値が使われる。スキャナやカラープリンタなど、画像データの入出力機器はそれぞれ固有のガンマ値をもっている。画像を忠実に再現するためには、画像入力から最終出力までの全体のガンマが1になるようにする必要がある。入出力機のガンマ値に応じた最適のカーブに補正することをガンマ補正と言う。
かがり製本の際に各折をつなぐ方式として、糸を使い、かがっていく方式がある。これを糸かがり、もしくはかがり、と言う。上製本の方式である。
観音開き見開きページが左右から内側におりこまれ仏壇の扉を開くように広げると、左右一連の見開き(4ページ)になる特殊な折り方による形式。雑誌の・パンフレットに多い。この折り方を観音折りと言う。
観音折雑紙の目次、パンフレットに見られる見開きページの特殊な折りの方式。紙を四つに平行して折るが、両側を内側に折り込む折りの方式。
黄版プロセスインキの黄。Y版。
切り抜き写真原稿などで人物や商品など必要な部分のみ使い、他を除去すること。製版の作業工程では集版時に絵柄に重ねたマスク版を加工して表現する。写真などを直接切り抜くわけではない。また、デジタル処理では、コンピュータの画面上で不必要な部分を除去している。
金赤紅(マゼンタ・M)と黄(イエロー・Y)の、100%どうしのかけ合せでできる鮮やかな赤(朱色)。特色の金色の種類を示す赤金(アカキン:赤味がかった金色のこと)とはまったく別の物。
キャストコート紙の表面にクレイなどを塗工し、乾燥する前に鏡面状の平滑なドラムでプレスするなどの方法で、高光沢を出した高級塗工紙。
菊判JIS P 0202で決められている標準原紙寸法(636×939mm)。もしくは書籍の規格外寸法(152×218mm)
キロ連紙の単位で1000枚を1連(R)と言い、1連あたりの1000枚1連の重量をkgで表示したものをキロ連量と言う。
咬え(くわえ)枚葉印刷機で用紙をローラに引き込むための装置(グリッパー)。用紙の縦方向の位置を合わせる役目がある。この装置が用紙をくわえるためには、ほぼ10mm程度の余白が必要で、この余白を「咬えしろ」と呼ぶ。又、くわえる側を「咬え側」、その反対側を「咬え尻」と呼ぶ。 >針
くるみ・くるみ表紙表紙を中身に取り付ける製本工程の作業。また、表紙で中身をくるみ、化粧断裁で仕上げる仮製本様式のひとつを言う。
クロス(Cloth)本製本の表紙に使う素材。紙をベースに加工したものを紙クロス、布をベースにしたものを布クロスと言う。
罫下(けした)ページの下部の断ち切り線から版面までの余白。
罫下合せページ物印刷で面付合せで印刷する際、各ページの罫下と罫下を合せて配列すること。縦組・右開きの書籍に適用される。
原色印刷などの色材では、C(藍)、M(紅)、Y(黄)。色光では、B(青紫)、G(緑)、R(赤)の三色を言う。混合することですべての色を作り出すことのできる基本的な色。色材の三原色による混合は、藍+紅で青紫、紅+黄で赤、黄+藍で緑、藍+紅+黄で黒となる。光の三原色による混合は、青紫+緑で青、緑+赤で黄、赤+青緑で紅、青紫+緑+赤で白となる。
原寸大原寸・現寸とも言う。原稿と同じ大きさ。図版・イラストなどを仕上げの寸法で描くこと。製版では版下と同じ寸法で仕上げることなどを言う。
校正紙・校正刷り白校正などを目的に印刷されたもの。オフセット印刷では校正機と呼ばれる専用機を使う。したがって本刷り(本機刷り)とは使用する刷版・機械・インキなどが異なるためにギャップが生ずる。校正刷りは好条件で印刷するためにすぐれた仕上がりになる。そのため校正刷りと本刷りとを一致させんがために各社それぞれ基準データを蓄積し対応している。本来は校正機で印刷することを校正刷りと言うが、この校正を目的として印刷されたそのもの自体を「校正刷り」と呼ぶようになってきている。
小口厳密には本のノド(とじ目側)以外の三方の紙の切り口。とじ目の反対側を前小口と呼ぶ。前小口を単に小口と呼ぶ場合もある。
小口装飾本の小口を保護・装飾の目的で加工することの総称。三方金・天金・色付け小口・マーブル小口などがある。
コート紙塗工(被)紙、コーテッド・ペーパーの一種。上質紙か中質紙をベースにして、コート剤の塗工量が10g/m前後とアート紙の半分の厚みを持つ。アート紙よりは光沢の平滑度は劣るが、仕上がりが良いので一般的な印刷用紙として最も多く使われている。
国際版一般的にレターサイズ(216×279mm)を指して言う。
コットン紙ラフ目で光沢のない書籍用紙。軽量でかさ高だが、弾力性に富んでいる。
合紙板紙を二枚以上に貼り合せたもの。厚い板紙は一度に杪けないため、何枚かを貼り合せて必要な厚さにする。
刷版(さっぱん)印刷版の略称。オフセット印刷機に取りつけられる実用版(本刷り用)、アルミ版・などに、製版で作られたフィルムからインキの乗る部分(画像部)が焼きつけられる。
刷了(さいりょう)印刷物が全部刷り上がった状態。印刷完了の略称。
更紙(ざらがみ)非塗工紙のひとつ。化学パルプ40~70%のものと40%以下のものがある。白色度も低く、表面の平滑度も劣っており下級の印刷用紙である。週刊誌・マンガ雑誌・新聞などで使われる。
仕上がり線印刷物を仕上げ断ちするための仮想線。通常、製版線より3・内側に設定される。レイアウトでは、実線で指示されるが、版下上で仕上がり線を引かれることはない。印刷物の四隅におかれた角トンボの内側の線が仕上がり寸法を示す役割を持っている。
シアン(Cyan)プロセスインキの藍(藍)。藍版。C版。
字面(じづら)印刷された、もしくは印字された文字の見た目の大きさなど。
自動現像機ひとつの機械の中で、現像・定着・水洗・乾燥までを行なう現像機。単体の物や、撮影・出力部と一緒になったものまで様々である。通称「自現」。
地紋(じもん)紙の地に刷りだした模様。
順目本の背に対して紙の繊維の流れが平行になっていること。本が開きやすく、紙の目にそって折りやすい。
私製郵便物規格私製郵便物について寸法などの一般的規格がある。寸法規格は、通常はがき:90~107・(短)×140~150・(長)。往復はがき:140~150・×180~214・。封筒:90~120×140~235・。となっており、郵便番号記入枠や承認番号など細かい規程がある。
指定紙写真・図版・文字組などが入る位置・大きさ・トリミングなどを指示したもの。レイアウト。版型・文字の大きさ・書体・字詰め・行数・行送り・ノンブル・罫線の種類、さらに製版の指定など、印刷のための基本となるあらゆる情報が盛り込まれている。
シノゴ(4×5)4×5インチ(約10・×12.5・)サイズのカメラフィルム。カタログなどのメーン写真用に撮影するならば、このサイズで撮ることが望ましい。
上質紙化学パルプ100%を原料とし、非塗工紙中ではもっとも白色度が高く印刷効果も良い紙で、高級書籍の本文紙や見返し、表紙、情報紙、事務用品等に用いられる他、塗工紙のベースとしても使用される。
スキャナ(Scanner)製版における画像の入出力装置。原稿を機械的、電子的方法で走査(スキャニング)し、原稿濃度の濃淡を光電子倍増管(フォトマル)、CCDで電気信号に変換した後、倍率、階調修正、色修正、シャープネス修正を施して色分解する装置。カラースキャナとモノクロ(白黒)スキャナに大別できる。カラーは透過原稿、モノクロは反射原稿が主に使われる。原稿のセット方法、スキャニング方法でフラットベッド(平面)式とシリンダー式とがあるが、モノクロスキャナはほとんど前者。
スクリーン角度網点角度と同じ。45°を軸に75°、15°、0°もしくは90°の4つが基本とされるが、スキャナでは走査線の関係もあり若干異なった角度を使っている。DTPでも原理上、若干の誤差が出る。
スクリーンセーバー(Screen saver)モニタに同じ画像を長時間にわたって映していると、その画像がモニタに焼き付いてしまう。この焼き付きを防止するために、一定時間ごとにモニタに動画を展開するプログラム。
スクリーン線数網点線数と同じ。新聞(更紙)は65~100線、雑誌(上質・コート、アート紙)は133~175線、高級印刷物(特にアート紙など)は200線以上がよく使われ、線数が多くなる程原稿の階調に近づくが、ドットゲイン(網点のつぶれ)が起きやすくなる。このため線数は印刷の方式、用紙、機械の精度、用途や目的によって選択される。
スクリーンフォント(Screen font)画面表示用のフォント。ビットマップフォントとアウトラインフォントがある。
ストリップストリッピングフィルムを用いて行なう原版修正方法。ストリップ修正。ネガ台紙から露光した後、薄い膜状に剥がしたフィルムに専用のノリをつけて原版に貼り込む。文字や図版の部分的な修正に使用され、作り直しや再出力の手間を省く。ただし、抜き合せになっている部分や、同一版上で網の上にのっている文字などには使えない。使用するノリは、ベタ状の物を貼る時はアドヒューズ、網状の物にはフィルムセメント(水のり)を使い分ける。
墨(スミ)黒の慣用色名である。印刷では「くろ」とは言わない。K・Bk・BL・BI・ブラックなどで表記するのが慣例となっている。
スミ角(墨角)4色分解した時に墨版に設定されるスクリーン角度。オフセッ ト印刷の場合、基本的には45°に設定するが、4色分解時の墨版は補助的な役割が強く濃度が低い場合が多いので、75°や15°に置き換えられることが多い。これは、45°が一番網点の存在が分かりづらい角度なので、そこにMなど目立つ色を設定した方が都合がよいため。集版で網伏せをする場合、最初から45°はMに設定して作業をしている。
すみ付きパーレン和文用のくくり符、パーレンの一つ(【 】)。
墨(スミ)版印刷では黒を墨といい、カラー印刷の黒版を指す。Bk版、BL版。
スミ版カープスミ版のグラデーションカープ。スケルトンブラックとフルブラックに分類される。絵柄のシャドウ部を主体に分解した物をスケルトンブラック、絵柄全体にスミの入ったものをフルブラックと言う。これらはスキャナで自由に設定できる。通常フルブラックは黒いカメラや皮靴などスミを主体とした絵柄に用いると有効である。
図版原稿一般には階調のない線だけで描かれた図、グラフ等の原稿をさすが、線が主体のイラスト等を含めて言う場合もある。
図版率本文に対し、図版や写真の占める面積比。
刷本すりほん・さっぽんとも呼ばれる。刷り上がった印刷物の総称である。
背丁背丁は製本の丁合い時に乱丁、落丁を防止するために、折丁の背に順序を示す文字のこと。文字には本の品名、折りの番号を印刷してある。背標は、背丁と同じ目的で背の部分に入れられる■や●の記号のことで、丁合いが正しいと記号は斜めにきちんと並んで、乱丁、落丁、取り込みがわかるようになっている。入る位置は、各折の最初と最後のページの間の背の部分で、下版時にストリップで貼り込む他、台紙から入っている場合もある。普通、本の構造上中綴じの本には入れない。
製版フィルム写真製版で使われるフィルムの総称。銀塩を使用した感光性フィルムだが、カラー発色はしない。現像後は黒と透明(白)のモノトーンになる。感光特性(=光の波長域)によってレギュラー・オルソ・パンクロなどに、感度によって撮影露光タイプと密着露光タイプに、使用機器によって連続調用と白黒調用といった具合に様々な種類がある。製版フィルムは通常、ネガ→ポジ、ポジ→ネガといった具合に工程毎に明暗が入れかわる性質を持つが、明暗が変化しない特別な物もある。
書籍の前小口の反対側。厚手の書籍に書名などが入っている。
背丁・背標背丁は製本の丁合い時に乱丁、落丁を防止するために、折丁の背に順序を示す文字のこと。文字には本の品名、折りの番号を印刷してある。背標は、背丁と同じ目的で背の部分に入れられる■や●の記号のことで、丁合いが正しいと記号は斜めにきちんと並んで、乱丁、落丁、取り込みがわかるようになっている。入る位置は、各折の最初と最後のページの間の背の部分で、下版時にストリップで貼り込む他、台紙から入っている場合もある。普通、本の構造上中綴じの本には入れない。
全判印刷用紙で原紙規格寸法(仕上がり規格とは異なるもの)で、断裁されていないもの。A全判・B全判・四六全判・菊全判などがある。
裁ち切り線レイアウトに引かれた仕上がりの線。裁ち切りの写真・図版などはこの線の外の3・まで入れる。版下にこの裁ち切り線(仕上がり線)は入れない。裁ち落としともいう。
裁ち切り版誌面の構成上、写真・図版などを仕上がり一杯まで使用する版。断裁の分として仕上がりよりも3・程度大きく製版する。
裁ち代印刷物の仕上げ裁ちの際、裁ち落とされる部分。通常3・必要である。
ダブルトーン同一原稿から調子の異なる2種類の版を作り、それぞれ異なった、あるいは同じ色のインクで印刷する方法。ディオトーンともいう。元々はモノクロ写真を墨1色で再現した時の弱点(コクがなく、軽くフラットな感じなど)を補うための方法。カラー原稿からでも可能。尚、2色印刷とは別の物である。
対向ページ書籍・雑誌などの折丁に従って向かい合った偶数・奇数ページ。16ページものの折丁では1と16、2と15が対抗ページとなる。中とじの場合は64ページものの場合、1と64が対抗になる。
台数計算基本料金。通常、印刷料金は数量に単価を乗じて計算されるが、一定の価格に満たない場合には、その作業をするための基本料金(最低料金)が適用される。
丁合折丁を頁順にそろえ、1冊分ずつまとめる作業で、手作業で行なう場合(手丁合い)と機械を用いて行なう場合がある。この作業を自動的に行なうのが丁合い機(機械丁合い)である。 >落丁、乱丁
本の中身を構成している紙葉を数える単位で、表裏二ページ一枚を一丁とかぞえる。
丁合い折丁を頁順にそろえ、1冊分ずつまとめる作業で、手作業で行なう場合(手丁合い)と機械を用いて行なう場合がある。この作業を自動的に行なうのが丁合い機(機械丁合い)である。
付け合わせ頁物を面付けして印刷する時に、16頁に満たない折をなるべく16頁に近い形になるよう数種類の折りを同時に印刷すること。主に少部数の印刷物で用いられ、印刷代(通し代)を安くできるメリットがある。
詰め印字詰め打ち、詰め組ともいう。写植で正規の字送りよりも詰めて印字する方法。例えば13級の文字で字送りは12歯など。均等詰め・字面詰め・em詰め・食い込み詰めなどがある。カーニングを参照。
天地印刷・出版物の縦の寸法。または版面・図版などの縦の寸法。天地10ミリなどと表現する。
天糊(てんのり)伝票・便箋・原稿用紙などの製本様式。天を糊で固め、必要に応じて一枚づつはがせるようになっている。
天袋横組の書籍で折りの天が袋状になっている部分。
凸版印刷最も古くからある印刷様式の一つ。文字や画線部が突き出ており、その部分にインキをつけ、圧力をかけて印刷する。凸印刷がその代表。新聞、名刺、コミック週刊誌等に使われている。
特色印刷プロセスカラー印刷と違い、必要に応じて印刷インクを混ぜて色を作り(特色)印刷する。「特色2色とスミ」とか「4色+特色1色」
トーンカーブグラデーションカーブ、相関カーブともいう。原稿濃度と複製物(網ネガ・網ポジ・印刷物)の濃度の関係を表す曲線。ポジとネガではカーブの傾きが逆になる。
通し印刷機に用紙を通して印刷される量を表す単位。1色印刷分を1通し(1)という。4色機は4t×印刷枚数(用紙寸法にかかわらず)=○○通し(t)と計算する。
特色(インキ)印刷基本4色Y・M・K(プロセスカラー)以外に、原稿内容をより忠実に再現するために特別に調合された色(インキ)のこと。金銀・パールや、蛍光のピンク、オレンジなどがよく使われ色見本帳(カラーチップ)の番号によって指定を行う。
共紙(ともがみ)書籍・雑誌の扉・中扉・口絵などを本文と同じ用紙で印刷すること。
取り都合印刷の際に、一定寸法の紙から、仕上がりの紙が最も効率よく取れるように計算すること。規格判の仕上がりの場合は規格判の用紙から無駄なく取れるが、表紙・ジャケットなど規格外の場合は、紙の目なども考慮するために無駄が出てくる。
ドットゲイン印刷時に網点がつぶれて太くなる現象。要因としては紙、インキ、網の線数の他、印刷時の機械や環境の状態などが挙げられる。一般的に本機は校正機に比べて点太り量が多くなる。
ドライヤー(Drier)印刷インキの乾燥促進剤の総称。コバルト・マンガンなどの金属石けんが使われる。触媒作用によって乾燥するが、温湿度・紙や湿し水のpHなどによって影響される。
綴じ(とじ)ページものの本文を繋ぎ合わせて固定する方法。針金とじ(平とじ・中とじ)、無線とじ、あじろとじ、糸かがり、和綴じなどがある。便せん・メモ帳・伝票など天とじ(天のり)といって、点の背を接着剤だけで処理したものなどがある。
綴じ代書籍・雑誌の製本の際に、針金平綴じ・穴あけなどのために必要なノドの余白。従ってノドのマージンはやや広めに必要である。
特殊紙普通の「白い」紙に対して色のついた紙、手ざわりの違う紙などを総称してファンシーペーパーとか特殊紙という。色のついたものでは色上質が多く、模様のついたものでは、しわ紙、エンボス模様、それに光沢のあるなしなどのバリエーションがある。
塗工紙白土など鉱物性顔料と接着剤を混合した塗料、あるいは合成樹脂などを原紙の片面、または両面にコーティングした紙の総称である。コート紙・アート紙など。コーテッドペーパー。
並製本本文を製本してから、簡単な(比較的薄い)表紙を糊付けするなどして仕上げる製本の方法。
中綴本文と表紙を同時に針金で綴じる製本方式。カタログ・週刊誌などに多く用いられ、比較的安価ではあるが、頁数の多いもの(厚いもの)には適さない。
中とじ表紙と本文とをいっしょに丁合いして、二つ折りになった背の部分を、表紙の側から真ん中の見開きページにかけて、針金または糸で綴じる仮製本の一様式。週刊誌・パンフレットに多い。サドルステッチ。
中扉前付けから本文に続くが、ここで中扉として、もう一度書名だけを記したページをいれることもある。
中見出しタイトルと本文との中間的な扱い方をされる。多用すると視覚的に混乱するので、省略する場合もある。
2色製版(印刷)ツインカラー、ドコアトーン等とも呼ばれ、カラー原稿を2色に色分解し、少しでもカラーに近い雰囲気を出せるインキで印刷する方法。特色のグリーンとレッドの組み合せなどが代表的。印刷コストが安く済むので、軽印刷・チラシ等でよく使われる。ダブルトーンとは別の物。
抜き型単にヌキとも言う。各種紙器など直線断裁でできない形状のものを作る場合、打ち抜き型を作り、トムソンなどの機械を使って加工する。型の基盤にベニヤの合板を使い、仕上がりの形状には切り刃を、折り曲げ部分にはスジ押し刃をベニヤの溝に組み込んで作る。溝は精度を上げるためにレーザーカットが使われる。抜き打ち用の刃型。
布クロス本クロスとも言い、製本用クロスの一つ。ベースに布を使い、表面にでんぷん・塩化ビニール・ナイロンなどに顔料を混ぜて塗布し、カレンダー(光沢を付けること)をかけたり、型押しなどをして仕上げたもの。
熱転写プリンタ(Thermal transfer printer)熱溶融層を持つインキリボンや固定インキなどの熱転写媒体を使って、サーマルヘッド(発熱抵抗体)の加熱によって層が溶融し紙に転写する方式のプリンタでノンインパクト・プリンタの一種。ワープロプリンタだったのが、カラーDTPの出力装置として使われている。
のどアキ本の一ページの左右の余白のうちで、とじ目側の余白部分。組体裁を決める際に重要な個所である。製本様式・ページ数・用紙の厚薄などによって本の開き具合を想定し、さらに可読性を考慮して決定していく。
のど本を広げたとき、中央とじ目と版面との間の余白部分(マージン)を言う。または、本のとじ目の側を指す。
印刷機の用紙の供給口の左右にあって、用紙の横方向の位置を合わせる装置。縦方向の位置を合わせる装置を咬えという。
歯(は)写植における移動量の単位。字送り・行送りに使われる。1歯=0.25・=1級である。移動の単位としての歯だが、手動写植機に付いている歯車のピッチが一個動くと0.25・移動して印字されるところから生まれた用語である。略してHとも記す。
ハイライト(Highlight)階調原稿(写真・絵画)などのもっとも明るく、濃度の低い部分。印刷物では最小網点の部分、紙の白さで表現する。
ハイライト版写真やイラスト・マンガ原稿で、ハイライト部分をとばしてコントラストを強めにコントロールした版にすること。イラストなどが描かれた用紙の調子などをなくし、描かれたイラストのみが製版できるようにすること。スキャナでハイライトドロップアウトを効かせて、任意の網点%以下の濃度をとばして作成する方法などがある。
歯送り写植の基準点の移動量。手動の写真植字機は組み込まれている基本歯車の1歯(0.25mm)を基準として送り量を設定したことからの語源である。この歯送りをゲージにして作られたフィルムのシートを歯送り表と言う。
ハッチング(Hatching)版下などで付ける影。商品の写真などに普通は45度の角度で右上より左下に引いた細い平行線を言う。
印刷の際、インキを紙に移すための元となるもの。画線部・非画線部で構成され、画線部のみにインキが着くようになっている。また、同一のフィルムなどを用いて印刷された書籍で第1版第3刷などと言い、1版で何回かの刷で構成される。さらに、同一著作物が組方・版型・装丁などを変えて発行される場合は第○版と使う。
版型(はんけい・はんがた)一般には書籍・雑誌・印刷物の大きさを言う。一般にはJISP0138紙加工仕上げ寸法で規定されているが、規格外の寸法もある。
半裁全紙(B1・A1)を半分に切ったもの。B半裁とはB全判の二分の一(B2判)である。
版式印刷版の構造によって分けた版の様式。凸版・平板(オフセット)・凹版・孔版がある。
版下製版のための原稿。レイアウトに従って作られた台紙に文字・紙焼きなどがセットされ、写真などの入る部分のアタリ罫・センタートンボ・角トンボなどの入ったアート紙などによる台紙。撮影前の写真製版用の原稿。かつては手作業の多い仕事だったが、コンピュータ処理の進化に伴い、版下での作業は激減している。
反射原稿もっぱら反射光で観察する原稿のことを言い、プリントした写真やイラスト、印刷物が代表的。透過原稿に比べて原稿の濃度幅が相当狭く、解像性も劣っている上、サイズや拡大・縮小率が異なっているのが普通である。また、原稿の表面性状(グロッシー、マット、シルク等)によっても影響が出てくるので気をつけなければならない。モノクロ製版では反射原稿が主に使われる。
版面(はんめん・はんづら)製版では製版面を指す。天地左右の製版線内を言い、版面線(製版線)・版面寸法(製版寸法)といった使い方をする。組版では、マージンを除いた印刷面を指している。
バラ打ちバラ印字とも言う。写植で、図版などの文字貼り込みのために、文字のみを印字すること。または、電算写植の出力機に搭載されていない書体、同一テーブルで出力できない書体を印字すること。組印字に対して言う。
バリアブルスペース(Variable space)写植でこのコマンドを入れることによって、自動的に行長に合せて平均したアキを確保する。欧文スペースはこのひとつである。同義語としては、インサートスペース・フリースペース・フィルスペース・任意空白がある。
パールインキ明度の高いインキに特殊な材料を粉末にして混入したもので、真珠のような光沢が出る。印刷適性が悪く、不透明度が高いのでノセや重ね刷りには向かない。
箔押し本製本の表紙・背などの上に箔を乗せ、金版(かなばん)で加熱・加圧して、文字や模様を型押しすること。箔などを乗せずに型だけ押すことを「空押し」と言う。
針金とじ仮り製本のとじの様式のひとつ。針金を使って本の中身をとじる方式。「平とじ」と「中とじ」とがあり、本の厚みによって針金の太さを変える。平とじ・中とじを参照。
PS版(Pre-Sensitized)プレ・センシタイズの略で、平版オフセット印刷で使われる印刷版(刷版)で主として用いられているもの。薄いアルミの板にあらかじめ感光液が塗布してあり、ポジ・ネガの両タイプがある。耐刷力も大きく、比較的安価なため使い捨てができるなどのメリットがある。普通、校正刷りと本刷りでは別々の刷版が作られる。
平綴本の背に近いノドの部分を針金で綴じる仮製本の一種。厚手の雑誌などに見られる。
表1(ひょう1)表(おもて)表紙のこと。
表紙本のいちばん外側に付けられ、中身を保護し、装飾するもの。本製本では、別に表紙貼り、箔押しなどをした後、表紙を見返しに貼りつけてくるむ。仮製本では、印刷した紙で糊付け(中とじは、共に針金でとじる)してくるむ。
表2(ひょう2)雑誌のおもて表紙の裏側。本文と接する部分の表紙。
表4(ひょう4)裏表紙を参照。
平とじ仮製本のとじ方のひとつ。丁合いした後、ノドに近い部分を表から裏にかけて、針金で綴じる方法。丈夫だが本の開き具合は良くない。
ビニル貼り印刷物の表面に光沢を与え、保護を目的として、接着剤と加熱・加圧により透明な薄い塩化ビニルを貼ること。仕上がりはよいが手間がかかる。
ビニル引き印刷物の表面に光沢・耐水性を与えるために、塩化ビニル・酢化ビニルの溶液を塗ること。
ビニル表紙色付けの塩化ビニルのシートを利用した表紙。薄表紙の書籍・辞典・手帳などに使われる。文字は箔押し・印刷で入れる。
PP貼り印刷物の保護と印刷をより美しくみせる手段として、PP(ポリプロピレン)フィルム(0.01~0.02mm)を貼ったもの。
B判B列本判。仕上がり寸法ではなく、製紙工場から出荷される紙の寸法、JIS P 0202で決められている標準原紙寸法。765×1085mm。
微塗工紙中質紙に1平方メートル当たり両面で12g以下の塗料を施した塗工紙の総称。
袋とじ和漢書の綴じ方。片面のみに印刷し、裏は白のままで印刷面を表にして二つ折にし、折りめの反対側をとじたもの。従って折られた方が小口となる。また雑誌などでは、仕上がり寸法よりやや小さい寸法の折丁をはさみ込み、その折丁は天地のみ断裁され、小口の部分が袋状になっているもの。
袋文字輪郭線だけで表現した文字。写植の写体としてもあるが、製版処理により作ることも可能。ただし、この場合シャープな形状はあまり望めず、可読性を増すためのフチ文字として使われる。ククリ文字、アウトライン文字、輪郭文字とも言う。
分解基本的にはカラーの写真やイラストなど、多色印刷を行うための製版工程の一部。カラー写真原稿ならばC・M・Y・Bkの基本4色の版に色分けする作業を言う。目的に応じて3色分解とか特色を加えた5、6色分解など必要な色数の色版を作る製版の一工程。またはこの作業で作られたフィルム自体のこと。
プリプレスシステム(Prepress systrm)印刷用の版を作るまでの編集・デザイン・文字組版・版下・写真製版・刷版などの工程の総称。エレクトロニクスの進化によって、コンピュータを駆使した多機能処理が可能になり、印刷業界では第四の波とまでいわれ、革命的な変貌を遂げつつある。
プリンターアナログ式製版用プリンターの総称。集版時に製版材料を製版フィルムに焼き込む機械。強い青紫光を照射する光源を内蔵し、真空をかけて密着露光させる。目的に応じて露光時間や材料の重ね方を変化させる。
プリンタードライバ(Printer driver)プリンターに出力するときに、プリンターごとに設定が違うため専用ソフトウェアのプリンタードライバを作り、それを介して印刷する。PostScriptプリンタードライバとQuickDrawプリンタードライバがある。
プリンターポート(Printer port)Macintoshの背面にあるコネクタのひとつで、プリンタを接続するために使う。
プルダウンメニューメニューの一形式。メニュー全体のタイトルが表示してあり、そこでマウスボタンを押すとメニュー項目が下に開くことを言う。画面の一番上にあるメニューバー。 プレビュー(Preview)
プレビュー(Preview)パソコンの印刷前にレイアウトイメージを画面上で確認すること。または、その機能。
プレプルーフ簡易校正システムの意味で、校正刷りを出す以前での内校用や、印刷までの時間が限られている仕事などに使われる。刷り物が得られるハードコピー方式にはオーバーレイ方式とサープリント方式があり、コンセンサスは後者である。この他に、カラーモニター上で確認する電子的色校正(ソフト方式)もある。
プロセスインキオフセットインキの一種で、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色で構成されており、多色刷りの基準色となっている。半透明性で、この4色の組合せでほとんどの色が再現できる。
プロセスカラー色の3原色であるシアン、マゼンタ、イエローの混合では実際には純粋なブラックが再現できないので、CMYにブラック(K)を加えた4色をプロセスカラーと言う。
平体写植における変形文字のひとつ。かまぼこ型の特殊レンズを使うことにより、左右の幅を変えず、天地のみを縮小した文字。1番から4番まであり、それぞれ10%・20%・30%・40%の縮小で、平(ひら)1・平2と言うように表わす。新聞書体はもとより扁平に設計されており、平体とはいわない。
平版印刷現在、最も活用されている印刷方式。文字や画線部が親油性で、非画線部が親水性で、版の高さがほとんど同じ平面にある印刷方式。版面に水を付けてからインキを付け印刷をする。現在は、版面を一度ゴムブランケットに転写(off)してから紙に印刷(set)する、いわゆるオフセット印刷が代表である。ダイレクト刷版による「簡易オフセット」。水を使わない「ドライオフセット(水なし平版)」がある。平版印刷は、リトグラフ(石版印刷)が始まりであり、1798年にボヘミア人のセネフェルダーによって誕生。亜鉛版が使われ出したのは1817年からである。明治期におけるカラー印刷である錦絵はこの石版印刷によって作られたものが多い。
変形通常の文字を「正体」と言い、これを細長くした文字を「長体」、偏平にした文字を「平体」、左右いずれかに傾けた文字を「斜体」という。変形させる度合によってそれぞれ1番~4番があり、計48種のバリエーションを作ることが出来る。
別刷り書籍や雑誌の一部に異なった版形式や刷り色で印刷したもの。
ページ書籍・雑誌の枚数を片面毎に数える単位。また、その順を示す数字。ノンブル。
ページアップ1ページ単位に組上げられたもの。版下で貼り込んでまとめ上げられたもの。トンボ・本文・各種罫線など必要なものはすべて入った版下を作ること。
ページ組電算写植で1ページごとに組版をまとめる作業。または出力を言う。棒組・バラ印字に対して言う。
ページネーション(Pagination)電算写植で、コンピュータ内にまとめられた文字情報を、組版情報の指示に従い、1ページ毎にレイアウトして出力すること。図版・写真などをふくめて完全な形で出力する場合は「フルページネーション」と言い、版下・画像をスキャナで読み込み、モニター上で網伏せ・写真貼り込みなどの作業を行い、ポジあるいはネガで出力する。スキャナート450を使った場合、三色(三版)まで対応可能。
ページレイアウトページごとにレイアウトを指定する方法。図・表・写真・イラストなどが多く入る組版では、ページのどの部分に入れるかが重要になってくる。1ページごと、あるいは見開き単位でレイアウト紙に指定していく。決められた行数で自動的にページを変えていく流し組に対して言う。
ペラポスターやチラシのような1枚ものの印刷物。または台割り上で端数として生ずる裏表2ページの台を指す。
ベタ100%の濃度のこと。多色刷りでは、同じベタでも墨のベタと藍、紅、黄のベタでは印刷時のインキの遮蔽力に違いがあり、下地に重なる時には墨の場合基本的にはノセても色は変わらないが、他の色の場合は下地と重なった色になるので抜きにしなければならない。文字組版では、字送りで字間を空けず、使用級数と同じ歯送りで送ることを言う。
本掛けページ物印刷において、表版と裏版を別々に組付けて印刷する版の掛け方。例として、A全紙でA5判のページ物を印刷する時、左半分に1折の表版を、右半分に2折の表版を組み付けて印刷し、それぞれの裏版を裏側に印刷する。これを半裁することによって、同時に1折・2折の刷本が同時に出来る。
マージン(Margin)書籍・雑誌などページの版面の周囲の(天地・左右の)余白。マージンの取り方には、経験則から編み出された「アンウインの法則」「モリスの法則」などがある。
マゼンタ(Magenta)プロセスカラーのうちの1色で、シアン(C)、イエロー(Y)と共に色の3原色を構成する。Mで表記され、紅色である。
マーブル巻背にマーブル(大理石)状の模様のテープを巻いて製本したもの。伝票や原稿用紙などに利用される。
前付け書籍の本文の前に付けられる、扉・口絵・序文・凡例・目次などの総称。通常、本文と体裁が異なる。ノンブルは前付きから通す場合と、別のノンブルをつける場合とがある。
前扉本製本の表紙・背などの上に箔を乗せ、金版(かなばん)で加熱・加圧して、文字や模様を型押しすること。箔などを乗せずに型だけ押すことを「空押し」と言う。
巻き折刷本の折り方のひとつ。前の折り目に対して平行に次の折りを折る方法。平行折りとも言い、小型事典などの薄い紙を使う場合に行われる。
丸背本製本の背の様式のひとつ。本の背に丸みをつけた最もスタンダードな上製本。丸みは円周を四等分、あるいは三等分した弧のカーブが標準とされている。丸背・耳付き・ホローバック・溝付き表紙の組み合わせが一般的である。
丸表紙本製本の表紙の仕立て方のひとつ。平と背を一枚の表装材料で貼ったもの。表装材料としては革・クロス・布・和紙・洋紙など。
マットコート紙表面の光沢を抑える加工をしたコート紙(塗工紙)の一種。
見返し本の中身と表紙をつなぐ目的で、表紙の裏側に貼る紙。文用よりも丈夫な紙を使う。前表紙に付ける前見返しと、後表紙に付ける後見返しとがある。二つ折りにした見返し用紙を、前見返しは1折に、後見返しは最終折のノドに貼りつけ、反対側は表紙の裏側に貼りつける。大きい本・重い本では強度不足を解消するために、巻き見返し・継ぎ見返しなどの補強が行われる。
見返し本の中身と表紙をつなぐ目的で、表紙の裏側に貼る紙。文用よりも丈夫な紙を使う。前表紙に付ける前見返しと、後表紙に付ける後見返しとがある。二つ折りにした見返し用紙を、前見返しは1折に、後見返しは最終折のノドに貼りつけ、反対側は表紙の裏側に貼りつける。大きい本・重い本では強度不足を解消するために、巻き見返し・継ぎ見返しなどの補強が行われる。
右とじ右側の閉じられている本。右開き。
ミシン伝票類など、紙片を切り離すために入れる点線状の切り込み。製本加工の際に入れるスロットミシン・ラインミシンがある。
見開き書籍・雑誌の向かい合った偶数・奇数ページの2ページ分。
見開きページ写真やイラストなどが、本を開いた左右のページにわたって印刷されている状態を言う。写真やイラストなどが左右のページに分割されるため、製版・印刷時に位置を合わせ、色再現についても合致させなくてはいけない。尚、「見開き対向」といった場合は、面付けする時に向かい合うページ同士のこと。
無線綴折丁の背の部分を鋸の歯状に2-3mm削り取り、そこに接着剤(ボンド)を塗って綴じ、表紙をくるむ製本。
無線とじ折丁を接着剤(ホットメルト)だけで結合するとじ方。丁合い後、背の部分を裁ち落とし、その切断面を引っ掻いて粗面とし、接着剤を塗布して接合する方式。電話帳を初めとして大量生産が可能であることから広く使われている。パーフェクト・バインディング。網代とじも無線とじの一種だが、背の部分は裁ち落とさないので混同しないよう注意が必要。
面付け印刷物を折り加工した後、ページ順が正しくなるように、一定の方式にしたがって並べ、版下では面台紙、製版ではフィルム、DTPではデータ上で各ページを並べる。本文縦組と横組では配列方が異なる(本文縦組=地合わせ、横組=天合わせ)。また、折りの方式などによって異なってくるので事前の打ち合わせが必要である。また、刷版では印刷用紙の無駄を省き生産性を向上させるために、同一の版を並べて焼き付けた刷版を作ることがある。この場合、同一の版を四ヶ並べれば四面付けと言うように呼ぶ。
面付け台紙面付けを行うための基準となる寸法で作られた台紙。センター、角のトンボやノドなどの線が入れられていて、これに従ってフィルムを貼り込んだり焼きこんだりする。ペラ台紙、2面見開、2面対向、4面、8面などがある。
モアレモワレとも言い、Moir’eと言う仏語からきている。二つ以上の規則的な線や点の重なりの干渉で生じる幾何学的模様を言う。4色印刷の場合、網点によるモアレを目立たなくするために15°、45°、75°の30°違いにCMBkを配置し、目立たないYを他と15°違いにスクリーン角度をとって製版することが多い。印刷物を原稿にする(刷り物分解)と、モアレが生じやすい。
ヤレ印刷・加工などの工程で、製品として使用できなくなった印刷物。使用できなくなった用紙を「ヤレ紙」あるいは「損紙」と呼ぶ。
八つ折刷本を三回折って、8枚16ページにする標準的なる折り。16ページ折り。
螺旋(らせん)とじ表紙と中身の四方を断裁してすべて枚葉とし、とじ目のほうに多数の穴を一列に開け、その穴に螺旋状の針金・プラスチックなどを表紙の上から通してとじる方法。アルバム・スケッチブック・ノートなどで使われる。
連量1連の紙の重量を㎏で表したもの。紙の厚さは同一銘柄であればほぼ重量に比例するため、厚さの表現にも使う。板紙と洋紙とを区別するために板紙は数字を△で囲み、洋紙は○で囲むように決められている。洋紙は1000枚(1連)当たりのキロ連量。板紙は100枚(1連)当たりのボード連量と言う。
レターサイズ書簡箋の寸法。国際標準サイズは8.5×11in(215.9×279.4mm)。
連(れん)洋紙・板紙の取り引き単位。枚葉紙では規定寸法に仕上げた紙1000枚を、板紙では100枚の単位を言う。巻取紙では、規定寸法の1000枚分を言う。略号は「R」。また洋紙を「KR」、板紙を「BR」と記すこともある。
連量(れんりょう)1連の紙の重量を㎏で表したもの。紙の厚さは同一銘柄であればほぼ重量に比例するため、厚さの表現にも使う。板紙と洋紙とを区別するために板紙は数字を△で囲み、洋紙は○で囲むように決められている。洋紙は1000枚(1連)当たりのキロ連量。板紙は100枚(1連)当たりのボード連量と言う。